記録よりも記憶に残る魚


ドラマフィッシュ



久しぶりに、出会えた気がする。



満月の大潮。
ホームのテレメーターで水位を見ると希望通りの水位。気温はやや低め。
天候は晴天の満月。

夜なのにくっきりと浮び上る影。
大勢の週末アングラー。
小規模河川。
予想されるタフコンディション。


「だが、勝算はある」


今までのデータがある、経験がある。
できるだけの武装をして河川に着き、キャストを始める。

予想通りのタフコンディション。

居るべきポイントに、ピンに魚が居ない。狙いがぼやけているのが分かった。


「まだ、勝算はある」


下がり続ける気温と反応の無さからか、次々に引き上げるアングラー。

賑やかだったフィールドは静まり返り、聞こえ出す魚の捕食音。

2種類の流れと、わずかなかけ上がりの絡むポイント。

この立ち位置では、あそこのかけ上がりに流れない、立ち位置をかえキャスト…


ボンッッ!!

見つけた。やはり居た。
確信も持ってさらに立ち位置を変え、アプローチを変える。

次はこっちの流れに付くはず…

ラインスラッグを調整して、ルアーがターンする位置を調整。流れに馴染ませながら、ゆっくり巻く。ダウンにいれルアーをアクションさせながら、流れを横切らせると…



ドンッッ!!!


重く鋭いバイトから70アップを期待したが60アップの腹太シーバス。

ゆっくり蘇生をしてリリース。

釣った安堵の次に襲う寒さ。
震えが止まらず納竿とした。



次の朝、私はまだ未練たらしく川にへばりついていた。

昨日釣った状況から推測すると、次の時合いは18:00に同じポイントの近く。

予定の時刻まで体力の回復に努めるが、上手く回復出来ない。

疲れ切った身体を引きずり、タイムアップ時刻を17:30までと決め入水する。

タイムアップまで90分。
少ない体力を温存するため、うな垂れるようにじっとしゃがみこむ。

予定時刻が近づくにつれ騒ぎ出すベイト、流れ出す水面。

「揃った…」

時を待ち昨夜と同じコースにルアーを乗せること数投。


ボッ……


弱々しく伝わるバイト。
ロッドに伝わる重さ、乗っ…

抜けた!!!

やってしまった…一度針にかけた魚はしばらくルアーに反応しない。


「時間だ、帰ろう」

暗くなり始め撤収するにはちょうどいい頃合。



そう思った時、大きなボイルが同じポイントで二連続。

「定点ボイル⁉︎」

違う魚がいる!!やる気もある!!
どうアプローチする⁉︎
とにかく投げよう!

ルアーを小さな流心に流し込みながら…

………。


ド…グググッッー

ルアーに気付いた魚が左の流心に逃げ込もうとするのを無理やり止める!

次は反転して右の流れに逃げ込もうとするのをリフトして頭を水面から出すと、エラ洗いしながら自力で水面滑走しながら逃げようする。

ヘッドライトは無く、見えるのは魚があげる水しぶきと黒いシルエットのみ。

右の流心に入る前に押さえ込み、耐える。さらに潜られる…

どこだ!!見えない!

最後の一巻きをして陸に強引にずり上げ、近づき手で逃げられない位置に移動させる。

口に指を入れられて観念したのか大人しくなるシーバス。せめてもの抵抗なのか私の指を噛み締めてきた。

ふと口から出る言葉

やった…やった…やった!!!」

「よし…よし!よっしゃぁぁああ!!」

普段、あまり感情を出さない私が歓喜の雄叫びを控え目にあげる。

計測しようとスマホを取りだり魚を照らす。

時刻17:53

予想時刻と数分の誤差。
ここまで予想通りかと思うと笑えてきた。

まるで予定されたかのような一本。

全てが思い通り。

優しく撫で、ルアーを外し流れの中で蘇生をしてリリース。

少し疲れたようにゆっくりと泳ぎ出し、流れに消えていくシーバス。

最後に力強く水を尾ひれで叩き、お互いの別れの挨拶とした。

「じゃあな。ありがとう。」


   

使用タックル
アピア(APIA) New Foojin’AD LAPAGE(フージンAD ラパージュ) 85MH【あす楽対応】

ショックリーダー  
クレハ ショックリーダープレミアムマックス フロロ30m 25Lb


ヒットルアー


モアザンモンスターウェイク
オリカラ:落ち鮎グロー












↓落ち鮎グローの依頼はこちらからどうぞ

Eメールで
akita_seabass_ajican@yahoo.co.jp


ラインで
友だち追加 




ランキング参加中!
クリックしてランクアップにご協力ください!
    
にほんブログ村   シーバス ブログランキングへ 
 


このエントリーをはてなブックマークに追加

トラックバック